ヤンデレ伝説

バスの定期券を買おうとしたら宇治で買ってこいと言われたため，
再び宇治川へやってまいりました ^^;

せっかくなので橋姫神社なる神社に参拝してきました．
この神社には「橋姫」という神様が祀られているそうです．
宇治橋の守り神であるという説もあるのですが，
一方で嫉妬の鬼であるという説もあったりします(それでも守り神)．

というわけで『橋姫伝説』でも・・・

昔々，平安時代の京に橋姫がいました．
このとき橋姫は普通の人間で夫と幸せに暮らしていました．
おなかにも子供ができていたそうな．
そんななか橋姫は夫に頼み事をします．
「つわりが酷いのでワカメを取ってきてくれますか．」と．

夫はワカメをとりに行きました．
しかし夫は帰ってきません．
橋姫は夫を待ち続けました．
もしかして夫に何か不幸があったのかも…
そんな風に心配する日々を送っていたそうな．

ある日，橋姫は真実を知ってしまいました．
夫は自分の事を捨てて海で出会った女を選んでしまったのです．
橋姫は泣きました．
その悲しみは怒りへ，怒りは憎しみへと変わっていきました．
私から夫を奪った女が妬ましい・・・！
私を捨てていった夫が妬ましい・・・！と

橋姫は「貴船神社」へ向かいました．
貴船神社は縁結びで有名な神社です．
一方で縁切り，呪詛(じゅそ)の神様だったり．
橋姫は貴船の神にこう言いました．
「神様…私は鬼になりたい…．そして妬ましいあの女を…！」
貴船の神様は答えました．
「赤い布を身にまとい，頭に朱を塗り，頭の髪を五つの角の形にし，頭には鉄輪を載き，その三つの足に火を灯し，宇治川に行きて，二十一日間浸かれ．さすれば生きながらにして鬼になれるだろう．」

この言葉を聞き，橋姫は喜びました．
「これで私を捨てた夫に…！…憎きあの女に怨みをはらせる…！」
喜んで帰宅した橋姫は装束を済ませて宇治川へ．
このとき橋姫の姿は見た人が気を失うほど恐ろしいものだったとか．
宇治川に到着した橋姫は憎しみを胸に宇治川に身を沈めます．

二十一日後，そこには橋姫という”鬼”がいました．
鬼になった橋姫は夫と女を殺し，さらにはその親族を皆殺しにしました．
それでも憎しみは治らず，遂には宇治橋を渡る者を殺していきました．
こうして宇治橋は人々が恐れる殺人鬼の宿る危険地帯と化しました．
めでたしめでたし．

・・・まあこんな感じの伝説があるのですね．
いま流行り(？)のヤンデレが伝説にも登場していたとは，
さすが源氏物語のまちだと感銘を受けました．

まぁこんな殺人鬼を人々が放っておくわけはなく，
ことあと橋姫は退治されて自分を弔ってもらう事を条件に降伏．
現在の橋の守り神となったとさ．
めでたしめでたし．

そんなわけで『橋姫伝説』の紹介でしたー．
花見だんご(駿河屋￥300)とお茶(伊藤久右衛門￥0)おいしかったー